スウェーデンのイエーテボリで開催された「世界フィギュア選手権」女子・ショートプログラムの結果と感想。
| 順位 | 出場選手 | 国名 | ポイント(技術+構成-減点) |
|---|---|---|---|
| 1 | カロリナ・コストナー | イタリア | 64.28(36.34 + 27.94 - 0.00) |
| 2 | 浅田真央 | 日本 | 64.10(35.22 + 28.88 - 0.00) |
| 3 | 中野友加里 | 日本 | 61.10(34.83 + 26.27 - 0.00) |
| 4 | キーラ・コルピ | フィンランド | 60.58(34.22 + 26.36 - 0.00) |
| 5 | キム・ヨナ | 韓国 | 59.85(32.71 + 28.14 - 1.00) |
| 6 | ジョアニー・ロシェット | カナダ | 59.53(32.99 + 26.54 - 0.00) |
| 7 | サラ・マイヤー | スイス | 59.49(32.17 + 27.32 - 0.00) |
| 8 | 安藤美姫 | 日本 | 59.21(31.93 + 27.28 - 0.00) |
| 9 | キミー・マイズナー | アメリカ | 57.25(30.54 + 26.71 - 0.00) |
| 10 | ベアトリサ・リャン | アメリカ | 52.81(30.30 + 22.51 - 0.00) |
さすがにどの選手もこの大会に照準を合わせてきていると見え、ミスが少なくレベルの高い見応えのあるショートプログラムだった。スウェーデン開催ということもあってか、特にヨーロッパ勢に勢いを感じた。以下は印象に残った選手の寸評。
- ベアトリサ・リャン(アメリカ)
-
数年前に初めて見たときは、ずんぐりむっくりな体型以外あまり印象に残らなかった(失礼)彼女。しかし彼女は、おそらくこつこつと努力するタイプなんだろう、見るたびにスキルアップしているのを感じる。最近は表現力にも磨きがかかってきた。コーチとの「二人三脚」ぶり(?)も微笑ましい。好感の持てる選手だ。
使用曲:魔法使いの弟子(デュカス)
【参考】デュカス:魔法使いの弟子
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 デュカス フルネ(ジャン)
- 中野友加里(日本)
-
全日本選手権から3ヶ月試合がなかった彼女だが、その間に完璧に仕上げてきたのはさすが。今シーズンのベストの演技を見せてくれた。表情を見ていても特に緊張や気負いも感じられず、精神的にも非常に良い状態で臨めているようだ。
この分だとフリーも十分に期待できそう。
使用曲:幻想即興曲(ショパン/ユンディ・リ ver.)
【参考】ポートレイト(ユンディ・リ リスト モシュコウスキ)
※6曲目に収録。
- 安藤美姫(日本)
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特にミスはなかったものの、やや動きに精彩がなかったのが心配。今シーズンを通じて感じる「スピードのなさ」も気になる。今日は8位に甘んじたが、まだ逆転可能な位置にいるので明日に期待。
使用曲:交響組曲「シェエラザード」(*1)
【参考】R=コルサコフ:シェエラザード
オーマンディ(ユージン) ボロディン リムスキー=コルサコフ
- ジョアニー・ロシェット(カナダ)
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四大陸選手権で見せた好調ぶりが持続できているようで、今日も安定した演技を見せていた。
使用曲:ピアノ協奏曲第1番(チャイコフスキー)〜 ピアノ協奏曲(シューマン)
【参考】チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
アルゲリッチ(マルタ) チャイコフスキー シューマン
- 浅田真央(日本)
-
ベストではなかったかもしれないが、かなりの良い出来。彼女の場合序盤の3回転 - 3回転のコンビさえ決まれば、あとは安心して見ていられる。
注目すべきは豊かになった表現力。特にストレートラインステップでのしなやかな表現は見事。今シーズンはルッツジャンプの欠点を克服することは出来なかったが、それを補ってあまりあるパフォーマンスを見せてくれた。
使用曲:映画「ラヴェンダーの咲く庭で」より バイオリンと管弦楽のためのファンタジー(ナイジェル・へス)
【参考】Ladies in Lavender [Original Motion Picture Soundtrack](4曲目に収録)
※日本版はこちら。
- カロリナ・コストナー(イタリア)
-
昨年に地元トリノで行われたグランプリ・ファイナルで銅メダルを取ったことが、彼女にとって大きな自信になっているのではないか。昨シーズンまでは時にオドオドとした印象を受けることもあった彼女だが、今日は余裕すら感じられるほど堂々と演技していた。
武器であるスピード感あふれるスケーティングや長身を活かしたダイナミックな表現に加えて、最近は手の動きや顔の表情など細かい部分にも神経を配れるようになってきた。
フリーに向けての不安点は、ショートプログラムで思いがけず(?)1位になってしまったが故のプレッシャーか。
使用曲:ライダーズ・オン・ザ・ストーム(ドアーズ)
【参考】The Best Of The Doors
The Doors(※ディスク2の4曲目に収録)日本版はこちら。
- アシュリー・ワグナー(アメリカ)
-
彼女の武器は、若手らしくキビキビとした小気味の良いパフォーマンス。この大舞台でも「活きの良さ」を十分に発揮していた。初の世界選手権でここまでできればたいしたものだ。
それにしても、長洲未来、キャロライン・ジャン、レイチェル・フラット、そしてこのワグナーと、アメリカのジュニア世代は末恐ろしい(汗)。世界ジュニア選手権のように、近い将来この大会の表彰台もアメリカ勢が独占...なんてこともあり得る?
使用曲:ヘンリー8世(サン・サーンス)
【参考】サン=サーンス:歌劇「ヘンリー8世」全4幕
アラン・ギンガル(指揮)/フランス歌劇管弦楽団/フィリップ・ルイヨン/ミシェル・コマン/リュシール・ヴィニョン/アラン・ガブリエル/フィリップ・ボエ ピエール・ジュルダン
- キム・ヨナ(韓国)
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今日の彼女には驚かされた。それは優勝候補の中で唯一転倒してしまったことにではなく、むしろ転倒した後のパフォーマンスに、である。
ショートプログラムでの転倒は彼女にとってもかなりの精神的な痛手となるハズだが、少しの動揺も見せずにすっくと起きあがった彼女は、何事もなかったかのようにごく自然に「表現の世界」へと立ち戻っていったのである。まるで転倒自体も最初から「表現の一部」であったかのように...。そしてその後はケチの付けようのない素晴らしい演技を見せ会場を魅了した彼女。おそらく途中から見た人は、彼女がノーミスの演技で終えたと勘違いしたのではないか。
もしかすると、転倒した後に立て直す(心理的な部分も含め)ような訓練を日頃からかなりやっているのだろうか?そう思わずにはいられない、彼女の完璧な「復帰」ぶりに感服させられた。
使用曲:こうもり(ヨハン・シュトラウス)
【参考】シュトラウス:こうもり
ベヒター(エバーハルト) ウィーン国立歌劇場合唱団 ヤノビッツ(グンドゥラ)
- サラ・マイヤー(スイス)
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彼女の表現に対するひたむきな姿勢には、とても好感が持てる。特に今日の演技は気持ちが入っていた。今シーズンはミスが目立つ場面もあったが、今日は文句なしに今シーズンのベストパフォーマンスだろう。
使用曲:映画『パッチ・アダムス』より
日本版はこちら。
- キーラ・コルピ(フィンランド)
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彼女もここにしっかりと照準を合わせてきた。今シーズンの総決算の大会にふさわしい出来。
使用曲:トゥリウンファル(アストル・ピアソラ)
【参考】Astor Piazzolla: Libertango
Astor Piazzolla Anibal Troilo Astor Piazzolla(※ディスク1の10曲目に収録)
- キミー・マイズナー(アメリカ)
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全米選手権では、いったいどうしてしまったのかと思わせる不調ぶりだったが、今日の演技は復調をうかがわせる内容でまずはひと安心といったところ。
ジュニア勢の台頭で尻に火がついた恰好の彼女も、これで自信を取り戻してくれれば良いが...。
使用曲:The Feeling Begins(ピーター・ガブリエル)
【参考】Passion
Peter Gabriel(※1曲目に収録)※日本版はこちら。
- ラウラ・レピスト(フィンランド)
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シニアデビューするなりいきなり好成績の連続で頭角を現した彼女だが、今日はいつもののびのびとした演技が見られずミスを連発。怖いもの知らずでここまできた彼女も、ここにきて初めて「プレッシャーの洗礼」を受けたのかもしれない。フリーでどこまで挽回できるかに注目したい。
使用曲:映画『海の上のピアニスト』より(エンニオ・モリコーネ)
【参考】The Legend Of 1900: Original Motion Picture Soundtrack
※日本版はこちら
- 関連リンク
- *1
-
大会直前に、今シーズンのショートプログラムで使用していた「サムソンとデリラ」から昨年の「シェエラザード」へ変更。
- 08/03/21
- フィギュアスケート > 世界選手権 > 2008
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